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zoom RSS 【読書メモ】グレアム・グリーン『情事の終り』

<<   作成日時 : 2012/01/27 09:56   >>

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グレアム・グリーン『情事の終り』(田中西二郎訳、新潮文庫)読了。

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最初は嫉妬深い男の話で、不倫話で、なんか陰湿だし苦手だなあと思っていましたが、
中盤、ヒロインの視点に移って「同じ出来事を別の角度からとらえ直す」という展開になってから、俄然面白くなりました。
安部公房の『他人の顔』は、この小説をお手本にしていたのかも知れません。
題名から何となく想像していたような「ドロドロ姦通&お色気もの」ではなく、
カミュの『異邦人』の向こうを張るような、「現代人の神への不信もの」です。
『罪と罰』のラスコーリニコフが、エピローグで回心したのと違い、こちらの主人公はあくまで神を憎むことを選び、そのことにより逆説的に神を在らしめます。
そのあたり、ホントに『異邦人』に匹敵するカッコよさです。

ヒロインが死ぬことで、遺された人々に小さな奇跡をもたらすところから、萩尾望都の『トーマの心臓』を思い出したりもしました。

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