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zoom RSS 【読書メモ】ブロツキー『ヴェネツィア・水の迷宮の夢』

<<   作成日時 : 2014/03/20 20:51   >>

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ヨシフ・ブロツキー、金関寿夫訳『ヴェネツィア・水の迷宮の夢』集英社、1996年

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最近、読みたいと思って図書館でブロツキーの本を何冊か借りました。
普通の感想はここには書かないことにしていますが、メモしておきたい一節があったので。

ぼくたちの体の中で、それだけで独立しうる器官があるとすれば、一番それがやり易いのは「目」だと思う。それというのも、目の対象物というのがいつの場合も、「外」にあるからだ。目は鏡に向かう時以外、自分を見ることはない。眠りにつく時、最後に閉じるのが目だ。体が麻痺や突然死に襲われた時も、目は開いたままである。とくに必要のない時でも、またどんなことが起きても、目はいつも現実を記録し続ける。なぜだろう? 答は、それは環境が敵意をもっているからだ。視覚というのは、いくらこちらがうまく合わせようと努力しても、常に敵意を抱いている「環境」と、うまく適応して行くための道具なのだ。きみが環境の中で生活する時間が長くなればなるほど、それに比例して、環境がきみに対して抱く敵意も増大する。といってぼくは、老年のことだけを言っているわけではない。要するに、目はいつも安全を求めているのだ。〔110ページ〕


『ヴェネツィア・水の迷宮の夢』自体、非常に密度が高く、しかも読みやすい、良い本です。

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