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zoom RSS 太宰治「虚構の春」内容の整理

<<   作成日時 : 2016/10/22 00:09   >>

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太宰治の「虚構の春」は、雑誌「文學界」昭和11年(1936年)7月号に掲載された小説である。「道化の華」(昭和10年5月)、「狂言の神」(昭和11年10月)とともに、「虚構の彷徨」三部作をなす。
「虚構の春」は、昭和10年12月上旬から翌昭和11年元日までのあいだに、小説家「太宰治」に送られてきた書簡の、本文のみを並べるという形式でつくられた小説である。檀一雄の『小説太宰治』によれば、「大きなボール箱に、一杯つめられた手紙類を取り出して、部屋中に散乱させ、太宰は、クシャクシャになって、書いていた」とのことである。

この小説を構成する書簡に番号を振り、差出人と内容を整理した。
テキストには、初出雑誌を底本とした新潮文庫版『二十世紀旗手』(1972年)を用いた。ただし、初出雑誌のテキストに矛盾があり、初刊単行本(昭和12年)で修正されている箇所がある。

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● 師走上旬


【1】田所美徳
(1)原稿用紙屋
  文学通ぶる態度の弁明(◀太宰の忠告)、「英雄文学社」の話
【2】粟飯原梧楼(1)編輯者(※書簡単行本では粟飯原梧郎)
  原稿依頼
【3】相馬閏二(1)編輯者
  事務連絡(「めくら草紙」校正の受け取り)
【4】吉田潔(1)友人・文学者(山岸外史)
  忠告(◀太宰の傲慢)
【5】林彪太郎(1)友人・文学者?
  好意的評価(▶太宰は傲慢ではなく「泣き虫」)
【6】高折茂(1)編輯者
  事務連絡(短篇集〔『晩年』〕出版に向けて)
【7】永野喜美代(1)友人・文学者?
  芸術論、激励(▶太宰は自信をもつべき)
【8】金森重四郎(1)読者
  忠告(▶太宰は「作中人物的作家」にならぬよう注意すべし)
【9】高橋安二郎(1)編輯者
  原稿依頼
【10】白石(偽名)(1)読者
  新聞の切り抜き(薬物中毒治療、芝居の背景、馬鹿笑いクラブ)
  ◆読者に知られているという主題
【11】飛鳥定城(1)編輯者
  原稿依頼(▶太宰には政治小説はまだ無理か)
【12】菅沢忠一(1)読者
  図々しい問い合わせと返信の依頼
【13】吉田潔(2)
  怒りの返信(◀太宰の「許す」との手紙)(▶太宰の未熟さ、吉田への依存)

● 中旬

【14】佐藤春夫
(1)既成作家
  吉田潔への手紙/「道化の華」への好意的評価
【15】吉田潔(3)
  佐藤春夫とのあいだの取り次ぎ
【16】長沢伝六(1)編集者・友人
  原稿依頼
【17】竹内俊吉(1)編集者・友人
  原稿依頼、太宰の兄の様子
【18】清水忠治(1)友人・甥
  長者番附の報告(▶太宰の故郷の家の経済事情)
【19】(匿名)(1)自称同窓生
  送金の申し出(◀太宰の経済的困窮)
  ◆読者に知られているという主題の変奏
【20】井伏鱒二(1)既成作家
  忠告(◀太宰の飲酒、経済的困窮、世評を気にする小心さ)
【21】長沢伝六(2)
  太宰からの怒りの葉書への釈明(◀太宰の自尊心)、原稿再依頼
【22】黒田重治(1)友人・文学者(檀一雄)
  心配と忠告(◀太宰は自殺などのおそれがある)
【23】井伏鱒二(2)
  太宰の恢復と発奮を喜ぶ、激励(▶太宰は自信をもつべき)
【24】林彪太郎(2)
  親愛の情を伝える(▶同人の中から文壇へ進出し脚光を浴びた太宰)
【25】電報(相馬閏二?)
  「メクラソウシニテヲアワセル」
  ※雑誌に掲載した編輯者の出したものか?
【26】永野喜美代(2)
  「めくら草紙」への賛辞
  (→ 絶交状▶賛辞を素直に受け取れない太宰)
【27】吉田潔(4)
  「めくら草紙」への賛辞
  (→ 怒りの葉書▶賛辞を素直に受け取れない太宰)
【28】中江種一(1)素人作家・知人
  同人誌「春服」へのコメントを求める
【29】黒田重治(2)※檀一雄が実際に書いた書簡
  永野喜美代との友情を心配(◀太宰が永野に絶交状)
【30】高橋安二郎(2)
  原稿をめぐる編輯部内のトラブル
【31】春田一男(1)編輯者
  原稿をめぐるトラブル、高橋安二郎は病人だと主張、原稿依頼
【32】吉田潔(5)
  怒りの葉書への返信(【27】は「単なる冷やかし」だった◀文学にむきになる太宰)
【33】永野喜美代(3)
  金銭的相談への否定的な返事、励まし(◀太宰の経済的困窮、自殺のおそれ)
【34】長沢伝六(3)
  原稿についての相談
【35】高橋安二郎(3)
  原稿をめぐるトラブル
  ◆読者に知られているという主題

● 下旬

【36】清水忠治(2)
  ◀左翼運動と情死事件について太宰から聞いたこと
  ◆読者に知られているという主題の変奏
【37】五郎(1)編輯者(※【2】の粟飯原梧楼〔梧郎〕か?)
  原稿への感謝
【38】斎藤武夫(1)素人作家・学生・知人
  太宰への感情移入(▶気合と気魄、リリシズム)
【39】松井守(1)友人
  金銭的相談への否定的な返事(◀太宰の経済的困窮)
【40】吉田潔(6)
  月についての短文
【41】(中江種一)(2)※【28】と同じ人物
  身の上話、同人誌「春服」がつぶれての相談、太宰治評(▶不安の相貌)
【42】吉田潔(7)
  太宰の葉書への批判(◀惰弱、巧言令色)
【43】(匿名)(1)読者
  ファンレター(挑発、自分語り、励まし▶太宰は代弁者)
【44】佐藤春夫(2)
  忠告(これから文壇で生きていくにあたって)
【45】長沢伝六(4)
  原稿料送金の連絡
【46】(匿名)S(1)
  断片的な言葉を並べている
【47】井伏鱒二(3)
  忠告(◀太宰の薬物中毒)
【48】気質沢猛(1)友人
  送金、心配(◀太宰の経済的困窮、「いのちがけ」との言葉)
【49】吉田潔(8)
  「悪臭は除去すべきである」(※薬物中毒への心配か?)
【50】敬四郎(1)画家・知人
  絵を描く決意を伝える
【51】内山徹(内山十三)(1)学生
  弟子になりたいと志願、身の上話
【52】高橋安二郎(4)
  送金の連絡(◀太宰の経済的困窮)、春田を馘首したことの連絡
【53】(黒田重治)(3)
  同情(◀太宰の禁酒禁煙)、激励(▶太宰は自信をもつべき)
【54】田所美徳(2)
  太宰の活躍を祝う、「英雄文学」(※初刊単行本)への執筆を喜ぶ
【55】細野鉄次郎(1)友人
  金銭的相談への否定的な返事(◀太宰の経済的困窮)
【56】平河多喜(1)読者の恋人
  読者に葉書を出さぬよう訴える(◀読者を過度に魅了する太宰)
【57】(匿名)(2)19と同一の人物
  送金の申し出について(◀太宰の経済的困窮)
  ◆読者に知られているという主題の変奏
【58】(無署名)(1)読者?
  自分の将来の展望を語る
  「英雄文学」(※初刊単行本)に載せる小説の完成を祝う
【59】(無署名)(1)時代小説家
  「英雄文学」(※初刊単行本)に載せる小説の完成を祝う
【60】津島会治(1)親戚
  忠告(◀太宰の借金、実家との関係)

● 元旦

【61】〜【66】(無署名)

  新年の挨拶
【67】R(1)編輯者
  原稿返送の連絡
  「英雄文学」(※初刊単行本)は太宰に原稿を依頼していない
【68】〜【82】(無署名)
  新年の挨拶

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