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zoom RSS 『唐版 風の又三郎』 登場人物の設定

<<   作成日時 : 2018/09/26 09:03   >>

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唐十郎 『唐版 風の又三郎』(1974年)

・劇のストーリー以前の設定 → 『唐版 風の又三郎』 設定のまとめ
・あらすじ → 『唐版 風の又三郎』 あらすじ

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以下は、唐十郎の戯曲『唐版 風の又三郎』(1974年)の登場人物の設定をまとめたものである。

織部
幼少期は月光町で暮らしており、当時は「風の又三郎」というイマジナリー・フレンドをもっていた。その後、精神を病んで宮沢先生の病院に入っていたが、月夜に病院から抜け出し、月光町にふらりと戻ってきた。そこで男装のエリカを見て、「風の又三郎」だと思い込む。
「少年」と呼ばれる一方で、「おっさん」と呼ばれることも。年齢としては、20歳未満と30代前半が重ね合わせられていると考えられる。
彼の名前は、ギリシア神話のオルフェウスからとられている。

エリカ(→ 又三郎に変装)
本名は「立花エリカ」。遅くとも1970年8月には、宇都宮銀座の夜の店に勤めていた。1973年3月、「宇都宮少年自衛隊航空分校」所属の高田三郎三曹が店に来はじめてから、相思相愛の仲に。エリカは高田をなかばそそのかし、1973年8月23日の夜、自衛隊の航空機の無断飛行をさせる。高田の「乗り逃げ」のあと、エリカは夢枕に立った高田の「俺の体をひろってくれ」という言葉を聞き、その願いをかなえてやることを決意。あちこち探し歩いたのち、テイタン(帝国探偵社)の教授のもとに高田の肉があるのではないかと推測する。「宇都宮少年自衛隊」が女人禁制だったことから、テイタンに侵入するには男装が必要だろうと考え、白いタートルネックと背広を身に着け、高田の弟になりすますが、その姿は織部のイメージした「風の又三郎」そのものだった。
「水戸のエリカ」と名のっているので、水戸出身なのかもしれない。
彼女の名前は、ギリシア神話のエウリディケからとられている。

高田三郎
自衛隊の航空学校に所属、階級は「三曹」。1973年3月ごろ、おそらく分校の移転とともに宇都宮にやってきて、宇都宮銀座のエリカの店に通うようになった。高田は整備員でしかなかったにもかかわらず、エリカに対して「この飛行訓練が終わったら、俺は東京に出て一人前のパイロットになり、お茶の水の陸橋をくぐりぬけて見せようか」などと大言壮語。これにエリカが「たんとおやりなさい」などと答えたところから、酒の勢いもあいまって、1973年8月23日の深夜、基地のLM-1型練習機を無断で操縦する。格納庫の陰のエリカに3度の旋回を見せて手を振ったのち、なぜかそのまま「乗り逃げ」してしまい、鹿島灘で墜落死。高田の肉は8月25日に自衛隊によって回収され、テイタンに保管されることになった。しかし高田の血は、回収されないまま空を飛び回り、「フライング・ソース」と呼ばれている。
彼の名前は、宮沢賢治の童話「風の又三郎」の高田三郎(風を司る童神の「風の又三郎」という名で呼ばれる)からとられている。
また、実際に1973年6月23日に乗り逃げ事件を起こした、当時20歳の整備士(三等陸曹)がモデルになっている。
モデルの年齢や、「少年自衛隊」に所属していることから、せいぜい20歳くらいと推定される一方、父や兄がマレーで戦死したということ(および、父から教えられた言葉を覚えていること)からは、30代なかばであるとも考えられる。おそらく、そのふたつの年齢が重ね合わせられている。

老婆
高田三郎の、おそらく母。息子であるはずの大学生からは、なぜか「おばあちゃん」と呼ばれている。また、大学生が空腹の限界に挑戦することを応援している。

大学生
老婆の息子で、高田三郎の弟。竹竿を振り回して暴れながら、空腹の限界に挑戦している。全共闘か。
「大学生」という役名から、10代終わり〜20代前半と考えられる一方、父や兄がマレーで戦死したということからは、30歳ほどだとも考えられる。

教授
太平洋戦争中はマレーで戦い、戦後は自衛隊にかかわって生きてきた。「仙台宇都宮分校の航空学校長」と呼ばれていることから、1964年以降のどこかの時点で仙台の陸上自衛隊航空学校岩沼分校の校長となり、そのまま1973年3月から「宇都宮少年自衛隊航空分校」の校長となったと考えられる。高田三郎の「乗り逃げ」事件ののち、責任を取らされ、テイタン(おそらく自衛隊関係者の天下り先)に左遷された。
ホモセクシュアルで、女性を遠ざけようとする。

三腐人
教授の3人の部下。もとは宇都宮の自衛官だったが、「乗り逃げ」事件の責任を問われ、テイタンに左遷されて探偵となった。死者や死の世界と接しつづけているせいか、みな、腐った体をもつ。
ホモセクシュアルのはずだが、少なくとも淫腐は、女性を性の対象と見ることもできるようだ。

夜の男
教授の旧友。1970年8月ごろから、エリカを目当てに宇都宮銀座の夜の店に通い詰めたが、エリカからはまったく相手にされなかった。高田三郎に嫉妬し、エリカを手に入れようと追う。

宮沢先生(→ 風の商人樫村に変装)
織部の入院していた精神病院(「宮沢病院」)の院長。病院から抜け出した織部を追って月光町へやってくる。しかし、必ずしも織部を病院に連れ帰ることが目的なのではなく、織部が外の世界で生きられるか、見届けようとしているらしい。

桃子
セーラー服を着たスケバンで、ヒロポン中毒。喧嘩の際は、両手に持ったカミソリを武器にし、「二丁カミソリのビリーザ桃子」と呼ばれる。

梅子
セーラー服を着たスケバンで、桃子と同期だが、桃子のことを「お姉さん」と慕い、依存している。喧嘩の際はカミソリを武器にし、「カミソリお梅」と呼ばれる。

死の少年
「宇都宮少年自衛隊航空分校」に所属する美少年で、高田三郎を兄のように慕っていたが、その愛情にはホモセクシュアルなニュアンスも混じっていたらしい。

青白いフヌケの生徒
テイタンの奥にある「謎の小学校」で教授の授業を受ける、元自衛隊員の死者たち(遺体)。

線香を持った男達(壱幕序盤)
死んだ航空兵の親戚などだと考えられる。喪服の男たちと同じかもしれない。

喪服の男たち(壱幕中盤)
死んだ航空兵の親戚など。死体をテイタンに納めに来た(自衛隊員が死ぬと、その死体をテイタンに納める代わりに、働き手がいなければ生活保護を受けることができる)。線香を持った男達と同じかもしれない。

三人の風の又三郎(壱幕後半)
織部が痛みの錯乱の中で感じた、風の又三郎の気配。それは本物の風の又三郎ではないから、3体に分裂して現れている。

航空兵たち(壱幕終わり、弐幕)
死んだ自衛隊員。テイタンの奥に死体が納められ、教授の授業を受けさせられている。

看護婦(幕間劇)
病院の看護師。手術までして命を助けたエリカが、治療費を払わずに病院から逃げたため、怒りを抱えており、腹いせに織部に「あの女死んだよ」と嘘を教える。

病人(幕間劇)
看護婦が面倒を見ている病人。

自衛隊員(参幕)
お茶の水の町に飛行機の爆発音が響いたため、その捜査をしている。

尼たち(参幕)
映画『尼僧ヨアンナ』(1961年)の尼僧たちのような服装をしている。

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