『共同幻想論』「祭儀論」(2)初期農耕社会

吉本隆明『共同幻想論』「祭儀論」(2)初期農耕社会 初出: 「文芸」1967年4月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ※ (1)のまとめ 【前提】 ≪1≫自己幻想を、人間の個体としての心のはたらきとし、 ≪n≫共同幻想を、…

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『共同幻想論』「祭儀論」(1)<逆立>と<生誕>

吉本隆明『共同幻想論』「祭儀論」(1)<逆立>と<生誕> 初出: 「文芸」1967年4月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ■■原理的に、個体の≪1≫自己幻想は、その個体の属する社会の≪n≫共同幻想にたいして<逆立>する〔136…

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『共同幻想論』「他界論」

吉本隆明『共同幻想論』「他界論」 初出: 「文芸」1967年3月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ■■共同幻想の<彼岸>をどうかんがえるか〔118〕 一般に、幻想はどのようにして生まれるのか。 <現実性>の領域に何らか…

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『共同幻想論』「巫女論」

吉本隆明『共同幻想論』「巫女論」 初出: 「文芸」1967年2月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ※※ ここまでの議論 ※※ 「禁制論」 →(1)(2)(3)(4) 禁制に代表されるような共同幻想としての制度がうみ…

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『共同幻想論』「禁制論」(4)共同幻想の伝承

吉本隆明『共同幻想論』「禁制論」(4)共同幻想の伝承 初出: 「文芸」1966年11月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ■■柳田国男批判――共同幻想の伝承〔61-64〕 ■佐々木鏡石の夢 『遠野物語』の内容を柳田国…

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『共同幻想論』「禁制論」(3)山人譚の<恐怖の共同性>

吉本隆明『共同幻想論』「禁制論」(3)山人譚の<恐怖の共同性> 初出: 「文芸」1966年11月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ■■『遠野物語』の山人譚〔49-51〕 柳田国男の『遠野物語』は、根本資料としての条件を備…

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『共同幻想論』「禁制論」(2)民俗譚はなぜ資料になるのか

吉本隆明『共同幻想論』「禁制論」(2)民俗譚はなぜ資料になるのか 初出: 「文芸」1966年11月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ■■新たな前提をもとに禁制について考える〔46〕 フロイトの誤りを踏まえたうえで、日本の…

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『共同幻想論』「禁制論」(1)フロイト批判

吉本隆明『共同幻想論』「禁制論」(1)フロイト批判 初出: 「文芸」1966年11月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 ※※ 吉本隆明のフロイト批判  ※※ 吉本はフロイトの『トーテムとタブー』に対する批判から「禁制論」を…

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吉本隆明『共同幻想論』序

初出: 「禁制論」~「祭儀論」……「文芸」1966年11月~1967年4月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 序〔16-39〕 ※ 1968年、『共同幻想論』が単行本として発行されるときに付けられた序文。 ■■『共同幻想論…

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吉本隆明『共同幻想論』全著作集のための序

初出: 「禁制論」~「祭儀論」……「文芸」1966年11月~1967年4月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 全著作集のための序〔10-15〕 ※ 1972年、『共同幻想論』が著作集に収録されるにあたっての序文。 ■■全著…

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吉本隆明『共同幻想論』角川文庫版のための序

初出: 「禁制論」~「祭儀論」……「文芸」1966年11月~1967年4月 初刊: 『共同幻想論』河出書房新社、1968年 テキスト: 『改訂新版 共同幻想論』角川ソフィア文庫、1982年 角川文庫版のための序〔5-9〕 ※ 1966年から68年にかけての仕事『共同幻想論』が文庫になるのに際して、1981年…

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映画『他人の顔』について

 池袋新文芸坐で、勅使河原宏監督『他人の顔』(1966年)を観ました。  原作は安部公房の同名小説で、脚本も安部が書いています。  原作小説『他人の顔』については、修士論文で論じましたので、そちらをご覧ください。(→ 安部公房論―中期長篇小説を中心に―)  映画版『他人の顔』はかなり前衛的な手法を使った映画で、退屈…

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【読書メモ】ベンヤミン『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』

 ロマン主義についての勉強のため、ヴァルター・ベンヤミンの『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』(浅井健次郎訳、ちくま文庫、2001年)を読みました。  ベンヤミンの博士論文です(1919年提出、1920年刊)。  基本文献なのでしょうが、あまりに密度が高く、そうとう苦労しました。  前半(第一部「反省」)は、ロマン主義…

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劇団唐ゼミ☆『夜叉綺想』プレビュー公演

 6月20日、劇団唐ゼミ☆の第22回公演『夜叉綺想』、横浜プレビュー公演に行ってきました。  劇団唐ゼミ☆は、私がいちばん好きで、思い入れが強く、公演を楽しみにしている劇団です。これまで、 ・2010年夏公演『蛇姫様』→「劇の厳密なる作動」 ・2010年冬公演『下谷万年町物語』→「父の名をかたることなく」、「夢のようにリア…

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吉本隆明『言語にとって美とはなにか』序、第I章まとめ

初出:「試行」1961年9月~1965年6月 初刊:『言語にとって美とはなにか 第Ⅰ巻』『言語にとって美とはなにか 第Ⅱ巻』勁草書房、1965年 テキスト:『定本 言語にとって美とはなにかI』角川ソフィア文庫、2001年 ・序文 第Ⅰ章 言語の本質 ・1 発生の機構 ・2 進化の特性 ・3 音韻・韻律・品詞

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『言語にとって美とはなにか』 第Ⅰ章 3

テキスト:『定本 言語にとって美とはなにかI』角川ソフィア文庫、2001年 第Ⅰ章 言語の本質〔23-71〕 3 音韻・韻律・品詞〔56-71〕 ※ 音韻・韻律・品詞というこれらの要素は、言語の成立や進化と直接に関わって出てくるものなので、「言語の本質」として考察されます。 ■■音韻〔56-57〕 言語の発生に…

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『言語にとって美とはなにか』 第Ⅰ章 2

テキスト:『定本 言語にとって美とはなにかI』角川ソフィア文庫、2001年 第Ⅰ章 言語の本質〔23-71〕 2 進化の特性〔40-56〕 ■■言語の進化について、どのように論を進めるか〔40〕 ▼言語の発生についての考察は「1」で行った。 従来の言語発生論……(1) ちがった色の絵具でぬられた (2) 二枚の画布…

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『言語にとって美とはなにか』 第Ⅰ章 1

テキスト:『定本 言語にとって美とはなにかI』角川ソフィア文庫、2001年 第Ⅰ章 言語の本質〔23-71〕 1 発生の機構〔24-40〕 ※ ここでは、言語がどのように発生したのか、についての考察を通して、吉本隆明が言語の本質のうちでも最も重要なものと考える、自己表出という概念が提示されます。 ■■本稿の理論編…

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『言語にとって美とはなにか』 序文

初出:「試行」1961年9月~1965年6月 初刊:『言語にとって美とはなにか 第Ⅰ巻』『言語にとって美とはなにか 第Ⅱ巻』勁草書房、1965年 テキスト:『定本 言語にとって美とはなにかI』角川ソフィア文庫、2001年 ■■■■ 文庫版まえがき(2001年)〔7-12〕■■■■ ※ 1961年から1965年にか…

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<本質性>の思想家、吉本隆明

 ここ1年ほど、吉本隆明の著作を初期から順に読んでゆく、という読書会に参加させていただいているのですが、現在『言語にとって美とはなにか』(1961年~1965年)まで読んできて、だんだんと吉本という思想家の像が見えてきたかな、という気がしています。  そこで、いま考えている仮説を、ちょっとまとめてみます。  私は以前この…

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