テーマ:批評

「小説という名の実験」正誤表

私が同人となっている、文芸批評・文学研究のグループ「凡庸の会」が、雑誌『文学+』第2号を刊行しました。 私は、「小説という名の実験―安部公房『砂の女』論」を掲載しています。 当該雑誌は1200円+送料です。下記フォームよりご注文ください(在庫切れの場合はご容赦ください)。 https://docs.google.com/f…
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唐十郎戯曲のモチーフの変化 (初期から中期へ)

唐十郎という劇作家の最大のテーマは、「制度」との葛藤である。 半世紀にも及ぶキャリアを通じて、このテーマが追究されてきた。 そして唐十郎にとって「制度」とは、自分たちの生きる日常を知らず知らずのうちに規定してしまっているフィクションであった。 それは具体的には、ある時期までは、欺瞞的な平和の中にある戦後市民社会を指していたが、…
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無意識の光(メーテルリンク『ペレアスとメリザンド』について)

無意識の光 ―― メーテルリンク『ペレアスとメリザンド』について   ◆ メリザンドとは何者なのか  舞台は海と森に囲まれた暗い城アルモンドの周辺。あるとき、アルケル王の孫ゴローが森で迷い、泉のそばで泣いている女メリザンドと出会う。ゴローは他国でメリザンドと結婚し、半年以上経ってから帰国する。ドイツ・ロマン派の好んだモチーフ…
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記憶を与える(太宰治『思い出』論)

記憶を与える――愛の物語としての『思い出』 ※ 太宰治『思い出』の内容の整理は こちら  太宰治の小説『思い出』(一九三三年)は、愛の物語である。かつて愛されていた者が、愛を失って成長したのち、今度は主体的に人を愛しようと試みて挫折する物語である。そしてその愛の主題に、記憶の主題が連動している。  『思い出』は三つの章…
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「私の好きな現代戯曲」ーー『しあわせな日々』

「本読み会」さんのウェブサイトの「私の好きな現代戯曲」というコーナーに、文章を掲載していただきました。 ベケットの『しあわせな日々』についてです。 http://honyomikai.net/event-contemporary/contemporary-talkingyomitan/play-kiyosue-loves/ …
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村上春樹「ドライブ・マイ・カー」について

 村上春樹の短編集『女のいない男たち』の劈頭を飾る「ドライブ・マイ・カー」は、周到な計算のもとに書かれた佳作である。  60代も半ばになる村上はこの作品で、自身がデビュー当時からもちつづけてきた主題に対し、現在の彼なりのやり方で正面から向きあっているといえる。  「ドライブ・マイ・カー」を通して私たちは、村上春樹とはどのような小説家…
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村上春樹『女のいない男たち』の「まえがき」について

 村上春樹の短編集『女のいない男たち』(文藝春秋、2014年)には、村上自身による「まえがき」が設けられている。  村上はこの「まえがき」の存在を、自分の小説にとっては例外的なものであるという。  「まえがき」の冒頭、そのことに言及した箇所をみてみよう。 長編小説にせよ短編小説集にせよ、自分の小説にまえがきやあとがきを…
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唐十郎『二都物語』について

  1 リーラン あたしを捨てたのね、あんた。 内田 その尖ったもので、私を刺し殺すつもりかい? リーラン そうすれば、あんたは生きかえってくれるでしょ? 痰壺を覗くときれいになるように。暗い夢を見ると過去が現在になるように。あたしのおまじないで生きかえらないものなんかありゃしない。兄さん、あんたは忘れたの? 湿った野…
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唐十郎『透明人間』について

唐組 第55回公演 『透明人間』 東京=新宿・花園神社 5月9日(土)10日(日)/15日(金)16日(土)17日(日) 6月6日(土)7日(日)/12日(金)13日(土)14日(日) 東京=雑司ヶ谷・鬼子母神 5月23日(土)24日(日)/29日(金)30日(土)31日(日) 長野=城山公園 6月19日(金)…
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【論文】『砂の女』と小説の地平 ―― 安部公房の小説について ――

『砂の女』と小説の地平 ―― 安部公房の小説について ―― 清末浩平 【2020年5月9日追記】 この記事をもとに、全面的に書き直した論文「小説という名の実験―安部公房『砂の女』論」を、文芸批評・文学研究の雑誌『文学+』第2号(凡庸の会、2020年)に掲載しています。 当該雑誌は1200円+送料です。下記フォームよりご注…
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安部公房「デンドロカカリヤ」の改稿について

安部公房「デンドロカカリヤ」の改稿について  ―― 一人称の存在論から三人称の疎外論へ ―― ※ 「デンドロカカリヤ」初出版の内容の整理 → http://42286268.at.webry.info/201502/article_7.html ※ 「デンドロカカリヤ」初刊単行本版の内容の整理 → http://4228626…
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【劇評】『ザ・モニュメント 記念碑』

舞台『ザ・モニュメント 記念碑』の劇評を書きました。 小劇場レビューのサイト、ワンダーランドさんに掲載していただきました。 ↓↓↓ 「直接的であることと代行すること」 http://www.wonderlands.jp/archives/26360/#more-26360
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吉本隆明『言語にとって美とはなにか』序、第I章まとめ

初出:「試行」1961年9月~1965年6月 初刊:『言語にとって美とはなにか 第Ⅰ巻』『言語にとって美とはなにか 第Ⅱ巻』勁草書房、1965年 テキスト:『定本 言語にとって美とはなにかI』角川ソフィア文庫、2001年 ・序文 第Ⅰ章 言語の本質 ・1 発生の機構 ・2 進化の特性 ・3 音韻・韻律・品詞
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<本質性>の思想家、吉本隆明

 ここ1年ほど、吉本隆明の著作を初期から順に読んでゆく、という読書会に参加させていただいているのですが、現在『言語にとって美とはなにか』(1961年~1965年)まで読んできて、だんだんと吉本という思想家の像が見えてきたかな、という気がしています。  そこで、いま考えている仮説を、ちょっとまとめてみます。  私は以前この…
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【読書メモ】上野俊哉『思想の不良たち』における安部公房論について

 たとえば「顔貌性」という言葉から、『他人の顔』を想起する。あるいは「逃走線」という言葉から『砂の女』を、「生成変化」という言葉から「デンドロカカリヤ」などの<変形譚>を。  ……現代思想の代表的な哲学者ジル・ドゥルーズが、精神科医フェリックス・ガタリとともに書いた『千のプラトー』は、安部公房の読者にとって、わくわくするような連想を与…
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「『終りし道の標べに』真善美社版について」

講談社文芸文庫『<真善美社版>終りし道の標べに』をテキストとしました。 引用については、 『終りし道の標べに』真善美社版は[講談社文芸文庫のページ数 / 安部公房全集第001巻のページ数]、 それ以外は[安部公房全集の巻数とページ数]と表記しています。 1.2つの問い  安部公房のデビュー作である長編小説『終りし道の標…
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『終りし道の標べに』真善美社版 あらすじ

安部公房『終りし道の標べに』真善美社版 あらすじ  これまで作成したデータベースをもとに、安部公房『終りし道の標べに』真善美社版のあらすじを作り直してみました。  これまでまとめたこととの重複ばかりであるうえに、かなり乱暴なものになっていますし、テキスト上の順序とはだいぶ違っていますが…… ***  『終りし道の標べ…
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安部公房『終りし道の標べに』真善美社版 データベース

安部公房『終りし道の標べに』真善美社版 データベース ■内容の整理 ・献辞 ・第一のノート ・第二のノート ・第三のノート ・十三枚の紙に書かれた追録 ■時間軸に沿った整理 ・作品内の出来事の年表 ・時間軸に沿った整理 ■登場人物・用語データ ↓↓50音順で検索できます↓↓ ・…
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吉本隆明の<本質性/現実性/幻想性>

吉本隆明は『カール・マルクス』で、  【1】本質性 …… マルクスの<自然>哲学に対応  【2】現実性 …… マルクスの市民社会分析(経済学)に対応  【3】幻想性 …… マルクスの宗教・法・政治的国家の分析に対応 の三幅対を立てたわけですが(このブログにも先日書きましたので、ご覧ください)、 これは、彼自身がカントと…
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吉本隆明「日本のナショナリズム」

先日、吉本隆明の読書会で、『自立の思想的拠点』(徳間書店、1966年)から、「日本のナショナリズム」(1964年)を読みました。 「大衆の原像」とか「自立」といった、吉本思想のキーワードとなってゆく概念が出て来る、ひとつの転機となった論文です。 「日本のナショナリズム」自体はどういう内容かというと―― …
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『燃えつきた地図』について

 もう20年近く前、『燃えつきた地図』を初めて読んだ、その文庫本をいまも持っています。  ぼろぼろのカバーはセロハンテープで無理やりに補修されており、紙は褪色と手垢で黒ずみ、どのページを開いても無秩序な書き込みがあって、はがれたページもセロハンテープでとめてあります。  まっさらな気持ちで読みたいときには、全集で読むか、別にもう一冊…
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【読書メモ】吉本隆明「想像力派の批判」

じつはこのところ、吉本隆明の評論を初期から読んでゆく、という勉強会に参加させていただいていまして、 10月は『擬制の終焉』の中の「想像力派の批判」という論文について、僕が発表する順番だったのです。 「想像力派の批判」は、小林秀雄の「様々なる意匠」、江藤淳の『作家は行動する』、ジャン=ポール・サルトルの『想像力の問題』といった超大物を…
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【読書メモ】吉本隆明『擬制の終焉』

ずいぶん長い間、ブログを書かずにいました。 2012年の夏から秋にかけては、引っ越しをしたり転職をしたり旅行をしたりと、いろいろなことをやってきましたが、本は吉本隆明のものを最初から読んできました。 先日読んだのは、『擬制の終焉』(現代思潮社、1962年)という一冊です。 これがどういう本かというと―― 六〇年安…
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引用による原民喜紹介

引用による原民喜紹介  この文章は2007年に、原民喜という小説家について調べて書いたものです。  作品からの引用により、原民喜という作家を、そのほんの一面なりとも、紹介しようという目的で書きました。  1905年生まれの原民喜は、1944年に妻と死に別れ、そのほぼ1年後に故郷の広島で原子爆弾を体験しています。  そして…
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【修士論文】安部公房論―中期長篇小説を中心に―

安部公房論―中期長篇小説を中心に―   (清末浩平 2006年 修士論文) はじめに 『砂の女』論  《1》 採集者/観察者  《2》 観察者の自己矛盾  《3》 逆さの鏡像  《4》 観察者から被験体へ  《5》 もうひとつの弁証法  《6》 再帰的な認識  《7》 オブジェクトレヴェルへの内在 …
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